今回はLinux技術者認定試験であるLinuCレベル1(102試験)を取得するための勉強方法を解説していきます。
Linux初心者だった私がLinuCレベル1(101試験)を取得後、約1ヶ月勉強して一発合格した際の勉強方法です。
Linux未経験の方、LPICの取得を目指している方にも参考になると思うので、ぜひ最後まで読んでみてください。
LinuCレベル1(101試験)取得についての勉強方法はこちらから。
✔この記事を読んで分かること
・LinuCレベル1(102試験)の概要
・LinuCレベル1(102試験)の合格方法(資格取得に向けた勉強方法)
LinuCレベル1(102試験)について
LinuCレベル1とは?
Linux技術者認定試験であるLinuCレベル1に認定されるために必要な試験です。このLinuC101とLinuC102の両方に合格するとLinuCレベル1に認定されます。
LinuCレベル1は「Linuxシステムの構築・運用・管理の専門家」を認定する資格です。LinuCレベル1に認定されると以下の技術的スキルを取得していると証明できます。
- Linuxシステムの構築・運用・保守をするために必要な基本操作ができる。
- Linuxディストリビューションを利用するために必要な知識がある。
- Linuxシステムの構築・運用・保守に必要なネットワーク、セキュリティの基本設定ができる。
- クラウド構成技術である仮想化とコンテナの基礎知識がある。
- オープンソースの文化を理解し、エコシステムに貢献できる。
(出典:LinuCレベル1 試験概要)
出題範囲(Version10.0)
LinuCレベル1(102試験)の出題範囲は大きく分けると次の6つになります。
主題1.06:シェルおよびスクリプト
主題1.07:ネットワークの基礎
主題1.08:システム管理
主題1.09:重要なシステムサービス
主題1.10:セキュリティ
主題1.11:オープンソースの文化
2020年4月からLinuCレベル1の出題範囲が改訂し、Version4.0からVersion10.0になりました。
Version4.0とVersion10.0の差分は以下です。
〇削除
・SQLデータ管理(主題1.06)
・プリンタと印刷の管理(主題1.09)
〇新設
・クラウドセキュリティの基礎(主題1.10)
・オープンソースの文化(主題1.11)
(出典:LinuC レベル 1、レベル 2 の出題範囲改定について )
クラウドセキュリティやオープンソースについての分野が追加になりましたが、そこまで大きく変更になっているというわけではないので、勉強方法もVersion4.0とほぼ変わらないです。
試験概要
試験概要は次の通りです。
受験料 | \15,000(税別) |
---|---|
試験時間 | 90分 |
問題数 | 約60問 |
最高スコア(満点) | 800点 |
最低合格スコア | 520点(約65%) |
LinuCレベル1(101試験)では、Linuxの概念や基本的な操作方法・コマンドが問われました。
LinuCレベル1(102試験)ではそれに加え、ITの基礎知識(ネットワークやセキュリティ)を絡めた問題も出題されます。
テストセンターで受験することができ、合否も試験終了時に分かります。
申し込みはこちらから。
LinuCレベル1(102試験)受験前の経歴と実績
受験前の私の経歴・スキルは以下の通りです。
・インフラエンジニア歴1年半(サーバエンジニア)
・基本情報技術者保持
・Linuxは業務の中で少し触れている程度
・LinuCレベル1(101試験)保持
LinuCレベル1(101試験)を取得したこともあり、インフラエンジニア(サーバエンジニア)としての更なるスキルアップを目指し、受験しました。
結果、勉強期間は約1ヶ月、勉強時間は20~30時間、点数は666点(合格点は520点)で合格することができました。
LinuCレベル1(101試験)では各コマンドのオプションについてかなり幅広く問われ、個人的には暗記するのが結構大変でした。
それに対し、LinuCレベル1(102試験)ではネットワークやセキュリティなどITの基礎知識を絡めた問題が多かったので、LinuCレベル1(101試験)よりもあまり苦労しなかったです。
基本情報技術者や応用情報技術者を所有していてITの基礎知識がしっかりとしている方は、LinuCレベル1(102試験)合格までにそこまで時間はかからないのではないと思います
LinuCレベル1(102試験)に合格するため勉強方法(3ステップ)
ステップ①:Linux環境構築
LinuCレベル1(101試験)で勉強した際と同様にまずLinux環境を構築しました。
Linux環境の構築方法はいくつかありますが、VirtualBoxを用いて仮想マシンにCentOSをインストールしました。
構築の詳細な手順は、この記事から見ることができます。
すべて無料でできるので、参考にしてみてください。
次に紹介する参考書や問題集で出てきたコマンドなどを構築したLinux環境で、実際にコマンドを入力しながら学んでいきました。
この手順は飛ばしても大丈夫ですが、『実務で活かせるようになりたい!』と思うのなら構築して触ってみるのがおすすめです。
LinuCレベル1(102試験)はコマンド+オプション問題が多数出題されます。
コマンド・オプションをただ暗記していくのは辛いので、実際にLinux上で打ち込んで自分のものにしていきましょう。
ステップ②:参考書でインプット
まず、Linuxの基本をおさらいするということで、LinuCレベル1(101試験)で勉強した際と同様に「1週間でLPICの基礎が学べる本」を読みました。
〇1週間でLPICの基礎が学べる本
Linuxについてこの一冊で無理なく学べるので、基礎固めをしたい方にはおすすめです。逆に基礎が分かっている方は読まなくてもOKです。
次にLinux教科書という通称“あずき本”で試験の出題範囲を勉強していきました。
〇Linux教科書 LPICレベル1
こちらは、最新の出題範囲である“Version10.0”にも対応しています。
内容については、Linuxの細かい部分まで詳細に記載されているので、Linuxを実務でも活用できるように満遍なくマスターしたい方にはおすすめですが、Linux初心者にとっては難易度高めです。
なので、とりあえず試験範囲をある程度でいいから網羅したいという方は、「LPICイージス」というサイトで学ぶのが良いです。
〇LPICイージス
(URL https://www.infraeye.com/study/studyz4.html)
無料のWebサイトですが、市販の参考書と遜色ないクオリティです。
ただし、試験範囲を全て網羅しているというわけではないので、不足している部分はあずき本で補完するのがいいでしょう。
また、LinuCレベル1(102試験)ではITの基礎知識も出題されるので、それらの知識がある程度ないと合格は難しいです。
特に以下の4つの基礎知識は必須になります。
- ネットワーク
- DNS
- メール
- セキュリティ
これらを手っ取り早く理解するためのおすすめの勉強方法は、「イラスト図解式シリーズ」がおすすめです。
〇サーバーの基本(DNS、メール)
〇ネットワークの基本(ネットワーク)
〇セキュリティの基本(セキュリティ)
各ページで図を用いて解説しており、IT初心者でも分かりやすいような構成になっているので、基礎的な部分を勉強するのには最適です。
先ほど挙げた4つの基礎知識が不足していると感じている方は、「イラスト図解式シリーズ」で勉強するのが良いでしょう。
ステップ③:問題集でアウトプット
使用した問題集は2つあります。
まず1つ目は「Linux教科書 LinuCレベル1 スピードマスター問題集」という本です。
〇Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集
こちらも最新の“Version10.0”に対応しています。
各問題にその問題の解説だけでなく関連した部分の解説も記載されているので、試験範囲を幅広くカバーしている問題集です。私はこの問題集を2~3周解いていきました。
2つ目は「Ping-t」というWebサイトです。
〇Ping-t
(URL https://ping-t.com/)
500問以上の問題があり、選択問題だけでなく、実際にコマンドやパスを記述する“コマ問”があるので、かなり充実した問題集です。利用料金は、1ヶ月2,500円程です。
こちらも最新の“Version10.0”に対応しています。
通勤時間の隙間時間で問題を解いたり、問題集を持ち歩くのが嫌な方は、こちらで問題を解きまくるのをおすすめします。
Ping-tで解ける問題は、実際の試験で出題される問題と遜色ないので、繰り返し解いて理解を深めましょう。
LinuCレベル1(102試験)に合格するため3ステップ:まとめ
1.Linux環境構築
- 無料でできるVirtual Boxを使うのがおすすめ
2.参考書でインプット
- Linux未経験は「1週間でLPICの基礎が学べる本」
- メインは「あずき本」と「LPICイージス」
- ITの基礎知識は「イラスト図解シリーズ」がおすすめ
3.問題集でアウトプット
- Linux教科書 LinuCレベル1 スピードマスター問題集
- Ping-t
今回はLinuCレベル1(102試験)の概要と合格するための勉強方法を3ステップで解説していきました。
この試験勉強を通して、実務でも理解できる幅が広がったと実感しています。
LinuCレベル1はインフラエンジニアとしての登竜門というべき資格です。
昨今、クラウド需要の増加が顕著ですが、クラウドにシフトしてもLinuxのスキルは必要なので、Linux技術者としてスキルアップしたい方、Linuxスキルを実務に結び付けたい方は、ぜひ受験してみてください。