本記事では、初心者が押さえておくべきLinuxコマンドを解説していきます。
初心者が覚えておくべきLinuxコマンド一覧
cd
“cd”はディレクトリへ移動する際に使用されるコマンドです。
ディレクトリとはWindowsでいうフォルダにあたるものです。
使い方は以下の通り。
$ cd ディレクトリ
cdの後ろに引数としてディレクトリ名を指定してあげることで、指定したディレクトリに移動することができます。
Linuxではディレクトリは階層構造となっており、ファイルやディレクトリがどこにあるかを示すものを“パス”と言います。cdコマンドを使用する際はパスを意識して引数を指定しなければなりません。
pwd
“pwd”は現在操作しているディレクトリを確認するコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ pwd
引数はいらないので、とてもシンプルなコマンドです。
mkdir
“mkdir”はディレクトリを新規作成するコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ midir <オプション> ディレクトリ名
指定した名前のディレクトリを作成することができます。
mkdirコマンドにはいくつかオプションがあるのでご紹介します。
Linuxコマンドではオプションを付けることで、コマンドの機能をカスタマイズすることができます。
mkdirの主なオプション
オプション | 内容 |
-m | パーミッションを指定したディレクトリを作成する |
-p | エラーを表示せずに指定したディレクトリが存在しなければ、それを作成する |
-v | ディレクトリを作成した結果を表示させる |
cp
“cp”コマンドはファイルやディレクトリをコピーするコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ cp <オプション> コピー元 コピー先
コピー元、コピー先という順に指定します。コピー先がディレクトリの場合は、コピー元のファイルがディレクトリの中にコピーされます。
cpコマンドにもいくつかオプションがあるのでご紹介します。
cpコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-r | ディレクトリごとコピーする(ディレクトリの中身もコピーの対象となる) |
-i | 上書きされるファイルがある場合に確認メッセージが出力される |
-f | コピー先に同じ名前のファイルが存在しても警告なしで上書きされる |
-b | 上書きされるファイルのバックアップを作成する |
mv
“mv”は「move」の略で、ファイルやディレクトリを移動させるコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ mv <オプション> 移動元 移動先
移動元と移動先を指定して使用します。ファイルを同じ名前のまま移動する場合は、移動先はディレクトリ名だけを指定すればOKです。
また、mvコマンドはファイルの名前変更をする際にも使用されます。
$ mv 元の名前 変更後の名前
つまり、「同じ場所に名前を変えて移動する」という操作になります。
mvコマンドにもいくつかオプションがあるのでご紹介します。
mvコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-b | 移動後に上書きや削除されるファイルのバックアップを取る |
-f | 確認を行わずに上書きする |
-i | 上書きする際は確認メッセージを出力する |
-n | 移動先に同じ名前のファイルやディレクトリがある際は移動しない |
ls
“ls”は「list segments」の略で、ファイルやディレクトリの情報を表示するコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ ls <オプション>
基本的な使い方はシンプルです。しかし、lsコマンドには多くのオプションが存在します。ここでは一部だけ紹介します。
lsコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-a | 隠しファイルを含めすべてのファイルやディレクトリを表示する |
-l | ファイルやディレクトリの詳細も表示する |
-t | 更新時間ごとに並べ替えて表示する |
-r | リストの逆順で表示する |
-h | ファイルサイズの単位を読みやすい形式で表示する |
rm
“rm”は「remove」の略で、ファイルやディレクトリの情報を削除するコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ rm <オプション> ファイル名(ディレクトリ名)
ファイル名を指定するだけで使用できます。
ディレクトリを削除する際はオプションが必要になります。他にもオプションがあるのでご紹介します。
rmコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-f | エラーメッセージを表示させない |
-i | ファイルを削除する前に確認メッセージを表示させる |
-r | ディレクトリも削除の対象とする |
-v | 削除についての詳細情報を表示させる |
touch
“touch”はタイムスタンプを変更するコマンドです。また、存在しないファイル名を指定することで、ファイルを新規作成する機能も持っています。
使い方は以下の通り。
$ touch <オプション> ファイル名
こちらもファイル名だけを指定してあげれば良いシンプルなコマンドです。
touchコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-d | 日時を指定する |
-c | ファイルを新規作成しない |
-r | 他のファイルのタイムスタンプに合わせる |
vi
“vi”はviエディタを起動するためのコマンドです。
viに関する説明はこちらの記事に記載しているので、ぜひ読んでみてください。
find
“find”はファイルやディレクトリを検索するコマンドです。
基本的な使い方は以下の通り。
$ find ファイル名(ディレクトリ名)
findコマンドの後にファイル名もしくはディレクトリ名を指定することで、検索することができます。指定したものがなければエラーが表示されます。
findコマンドは様々なオプションが存在します。オプションによってコマンドの表記の仕方が若干異なりますが、基本的な構文は以下の通りです。
$ find <検索開始ディレクトリ> <検索条件(オプション)> <アクション>
findコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-name | ワイルドカードを使用して、ファイル名またはディレクトリ名の一部のみを指定した検索ができる |
-mtime | 指定した日数に更新されたファイルやディレクトリを検索する |
-mmin | 指定した分数に更新されたファイルやディレクトリを検索する |
-enmpty | ファイル容量が0のファイルまたはディレクトリを対象として検索する。 |
詳細が知りたい方はこちらの記事が参考になります。
cat
“cat”はファイルの中身を閲覧するときに使用されることが多いコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ cat ファイル名
catは「concatnate」の略で、もともとはファイルを連結して出力するという意味合いがあります。なので、複数のファイルの中身を連結して出力することができます。
$cat ファイル名① ファイル名②
ファイル名を付け足してあげれば3つ以上の連結も可能になります。
catコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-n | 行番号を付けて出力させる |
-b | 空白行を入れずに番号を付けて表示する |
-s | 連続した空白行を1行の空白行にまとめて表示する |
-E | 各行の最後に「$」を表示する |
less
“less”はファイルの中身を閲覧するコマンドです。
lessコマンドはファイルの内容をスクロール表示させます。そのため、ファイルの内容が膨大で行数が多い場合は、catコマンドでなくlessコマンドを使用するのが良いでしょう。
使い方は以下の通り。
$ less <オプション> ファイル名
スクロール時の移動は十字キーでできます。また、Enterキーで1行、スペースキーで1画面先に進むことができます。スクロール画面を終了する際は、「Q」または「q」キーを入力します。
lessコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-e | ファイルの最後に達した場合にlessコマンドを終了する |
-N | 行頭に行番号を表示する |
-s | 連続した空白行を1行にまとめる |
-X | lessコマンド終了時に画面をクリアしない |
su
“su”はユーザーを変更するコマンドです。
使い方は以下の通り。
$ su <オプション> ユーザー名
ユーザー名を指定しないとスーパーユーザー(root)に変更することができます。
suコマンドの主なオプション
オプション | 内容 |
-c | コマンド 対話シェルは起動せずにコマンドを実行する |
-,-l | シェルを「ログインシェル」にする(ログイン時のスタートアップファイルを読み、環境変数を再設定する) |
Linuxが学べるおすすめの入門書
ここまで初心者が覚えておくべきLinuxコマンドを紹介していきました。
ここまで紹介したコマンド及びオプションは、ほんの触りの部分です。
実践的な技術や業務知識などを体系的に学べる入門書とともに学習を進めるのをお勧めします。
上の記事では、Linux初心者向けの入門書を紹介しております。学習の参考になると思うので、ぜひ読んでみてください。
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今やLinuxはエンジニアにとって必須なスキルと言えるものになってきているので、本記事を参考にぜひ学習をしてみてください。
こちらの記事ではLinuxについての解説をしているので、学習のお供として読んでいただける幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。