- インフラエンジニアにAWSスキルって必要なのかな?
- インフラエンジニアに求められるAWSスキルってなんだろう?
- AWSスキルを身につけたいけど、どうしたらいいのだろう…
現在のITシステムでは、従来の物理サーバを設置して利用するオンプレミスから、インターネットを介して利用するクラウドへシフトしています。
中でも、クラウドのIaaSでシェアNo1であるAWSの需要がかなり高まっており、システム開発のスタンダードとなりつつあります。
本記事では、インフラエンジニアに求められるAWSスキルやその身につけ方解説していきます。
実際に私がインフラエンジニアからAWSスキルを身につけ、AWSエンジニアとして案件に参画できた経験を踏まえて解説するので、あなたの役に立つはずです。
これを読めば、実際の現場で求められるAWSスキルやインフラエンジニアからAWSエンジニアへジョブチェンジするために必要なものが分かります。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
インフラエンジニアの取り巻く環境の変化
インフラエンジニアの取り巻く環境は“これまで”と“これから”で変化してきています。
- これまで:オンプレミスが主流
- これから:オンプレからクラウドへシフト
オンプレミスでのシステム開発では、自分たちで構築・運用できるメリットがある反面、以下のようなデメリットがあります。
■人件費がかかる
■土地代がかかる
■電気代がかかる
■サーバやネットワーク機器を調達するまでの時間がかかる
しかし、クラウドを利用すれば、オンプレミスのデメリットである人件費を削減することができ、土地代、電気代をゼロにすることができます。
また、従量課金制ですぐに利用することができます。
スタートアップ企業が増えている中で、初期コストをかけずに素早くサービス提供できるというのは、競合他社に対して大きな優位性を生むことができます。
サービス内容が決まっているので、オンプレミスと比べるとカスタマイズに制限がありますが、インターネットが利用できれば誰でも簡単にコストをかけず利用できます。
▼国内クラウド市場 実績と予測
参考:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=434
上のグラフを見てもらうと分かる通り、クラウドのシェアは今後さらに伸びていくことが分かります。インフラエンジニアにとってクラウドのスキルを身につけることは、もはや必須なのです。
クラウドの中でもAWSがNo.1
需要が伸び続けているクラウドの中で、世界シェア1位が「Amazon Web Services(通称AWS)」です。
AWSとは、Amazonが提供するパブリッククラウドサービスで、世界20以上のリージョン、61のアベイラビリティーゾーンで運用されており、200近くものサービスが提供されています。
▼クラウドインフラのシェア
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/13/news117.html
AWSはパブリッククラウドのデファクトスタンダードと呼ばれており、国内でもシェアTopです。
コンピュートサービスやストレージサービスだけでなく、サーバレス、ビッグデータ分析、AI(人工知能)など幅広いサービスで有能な性能を誇るため、クラウドの導入検討の際は候補に入るはずです。
オンプレミスからAWSへシフトする流れやシステム開発で導入することが増えてきているので、それに合わせてインフラエンジニアにAWSスキルが求められてきているのです。
AWSエンジニアの将来性とメリット
先ほど述べたように、システムがオンプレミスからクラウドへシフトしているようにインフラエンジニアもラウドスキルを身につける必要があります。
クラウドを扱うエンジニアの中でもAWSエンジニアは特に需要が高く、将来的にはAWSエンジニアとしても仕事をこなせるようになるのがいいです。
では、AWSエンジニアになれるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここではAWSエンジニアのメリットを3つ紹介します。
メリット1:需要の増加傾向により高単価
市場から求められている分、案件単価が高めです。
AWSを使った案件では、未経験でも月単価50万円というのもあり、2~3年ほどの経験を積めば当たり前のように月単価80万円になることができます。
AWSを扱えるインフラエンジニアはまだまだ少なく、需要が増加傾向に対して、供給が少ないという状況が発生しています。しばらくはこの状況が続くでしょう。
メリット2:物理作業から解放される
従来のインフラはデータセンターで設定作業や構築を行っていました。
そして障害が起こった際はデータセンターに駆け付けるのがインフラエンジニアの宿命でした。
しかし、クラウドだとそんなデータセンター作業から解放されます。
障害対応を行うときもインターネットを通じて、オンラインで対処可能なので、わざわざ寒いデータセンターに駆け付けることも無くなります。
作業は全てオンラインで完結するため、リモートワークもかなりしやすいです。
実際に私もクラウドをメインに扱う案件に入ってからは、ほぼ毎日リモートワークです。
メリット3:コーディングも学べる
インフラエンジニアがコードを書く機会は、シェルスクリプトやバッチくらいです。
それも頻繁に機会があるわけではありません。
実際にプログラミングができなくてもインフラエンジニアになる方はいます。
しかし、クラウドを扱うようになると自然にコーディングを学ぶことができます。
インフラ構成をコード化して自動構築するInfrastructure as code、今までサーバが行ってきた作業をコードだけで定義するサーバレスサービスなどが普及しています。
つまり、ネットワークやサーバなど今まで物理作業やコマンドを打って行っていたものが、プログラムで操作できるようになったのです。
インフラエンジニアでプログラミングできる人材は、現場でも評価されやすいので、そういう点でも、AWSスキルを身につけておいて損はないですね。
AWSを扱うインフラエンジニアに求められる知識とスキル
システムインフラの基本的なスキル
AWSを扱う上でも従来のオンプレミスで習得したスキルは必要です。
具体的に言うと
- システム開発の知識とスキル
- サーバOSの知識とスキル(WindowsやLinuxなど)
- ネットワークの知識やスキル
などです。
クラウドといえどシステムインフラの基本的な考え方は一緒です。
クラウドの知識
一般的なクラウドの概念を理解する必要があります。
クラウドにもパブリッククラウドやプライベートクラウドなどの種類があり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解したうえで設計する必要があります。
オンプレミスからAWSへシステムを移行するだけでなく、
- オンプレミスとAWSを併用したシステム、
- AWSと他のクラウドサービスを併用したシステム
など、様々な形のシステム開発が出てくるので、一般的なクラウドの知識は理解しましょう。
AWSの知識とスキル
AWSのアーキテクト原理や各AWSサービスの特徴と使い方が、AWSを扱うための知識やスキルになります。
特に
- アーキテクトの原理原則
- AWSサービス
は必ず押さえましょう。
アーキテクトの原理原則
AWSには様々なサービスがあるので、組み合わせ次第でどんなパターンにもなります。
自由度が高い反面、システムの要件に沿ったアーキテクチャの検討に時間が掛かってしまいます。
(例えば、コスト面を重視するシステムとセキュリティ面を重視するシステムでは使うサービスやシステム構成も変わってきます。)
そこで、AWS上でシステムを設計する際に、設計の指針となる「AWS Well-Architected フレームワーク」というものがあります。
これは、AWS上でのシステム設計・運用のベストプラクティス集で、設計する際の大前提となるものです。
AWSでシステムアーキテクトを行う際には、AWS Well-Architected フレームワークに沿って、設計をしていくので、これは絶対に押さえておきましょう。
AWSサービス
AWSサービスの数は200近く(2020年8月時点)あります。すべて覚える必要はありませんが、インフラエンジニアに求められるスキルと関係するサービスは最低限押さえておきましょう。
- EC2…仮想インスタンスサービス
- VPC…仮想ネットワークサービス
- S3…ストレージサービス
- RDS…リレーショナルデータベースサービス
- Cloud Watch…モニタリングサービス
- Lambda…サーバ自動化ツール
- Cloud Formation…infrastructure as codeサービス
こちらの記事で、主要なAWSサービスを解説しているので、学習の参考にしてみてください。
インフラエンジニアからAWSエンジニアになるための必要な3要素
では、インフラエンジニアからAWSエンジニアになるためにはどうすればよいのでしょうか。
スキル以外にも押さえておかなければならないポイントが3つあるので紹介します。
①インフラエンジニアとしての必要な業務経験
AWSエンジニアになるためには、インフラエンジニアとしての業務知識が必要になります。
あくまでもAWS上にシステムを構築するので、インフラエンジニアとしての知識・スキルが土台にあってこそのAWSエンジニアです。
ネットワークやサーバの構築・運用などを実務で行っている方がいいです。
また、あわせてセキュリティ知識を持っているとかなり役に立ちます。
AWS上でも高セキュリティなシステムは需要が高まっているので。
②主要なAWSサービスを押さえる
先ほども述べましたが、AWSサービスは非常に多く、その数は200近く(2020年8月時点)あります。
すべて覚える必要はありませんが、先ほど紹介した主要なサービスは覚えておきましょう。
他にも主要なサービスはあるので、体系的に知識を身につけたい方は、AWS認定資格を取るのも一つの手です。
資格があれば、スキルの証明にもなりますしね。
インフラエンジニアがまず取っておきたいAWS認定資格は、ソリューションアーキテクト-アソシエイトです。
これはAWSソリューションを用いた設計に求められるスキルを問われる資格です。
ソリューションアーキテクト-アソシエイトの詳細と勉強方法は、以下の記事で解説しています。
③AWSエンジニアの求人を探す
AWSエンジニアになる方法は主に2つあります。
・社内でAWSエンジニアを募集しているチームに異動する
・AWSエンジニアとして転職する
前者は現在所属している会社や案件で、AWSを扱うチームを探して、異動することでAWSエンジニアとして働くことができます。
これが一番手っ取り早く、リスクを時間も手間もかかりませんが、会社によるところが大きいので、不可能なら後者を選びましょう。
AWSエンジニアとして転職する場合は、AWSエンジニアの求人が探す必要があります。
最近では、AWSがかなりメジャーになっているので、求人サイトでも“AWS”で検索すれば求人は見つかるはずです。
ただし、AWSエンジニアに求められるのはAWSだけでなく、他の技術も求められます。(例サーバ、ネットワーク構築・運用経験など)
あくまでもAWSはプラスアルファなスキルとして認識して、自身が持っているインフラエンジニアとしてのスキルと掛け合わせられるようにしときましょう。
AWSスキルの習得するための勉強方法
AWSスキルの学び方は主に3つあります。
・本で学習する
・動画教材で学習する
・スクールに通う
どれを選択しても構いません。
自分自身に合った勉強方法を選びましょう。
ただし、どの勉強方法を選択しても、効率よくAWSスキルを習得するために必要なのは、“手を動かす”ことです。
実際にAWSサービスを触ってみて勉強するのが一番効率良いでしょう。
https://komodblog.com/infra-engineer-aws-study/
本で学習する
AWSはクラウドシェア世界1位ということもあり、様々なバリエーションの参考書が多く存在します。
その中でも特に初心者におすすめの本は、「Amazon Web Services ネットワーク入門 (impress top gear)」です。
はじめての人に向けたAWSネットワーク入門。AWSを初めて利用するITエンジニアが、既存のオンプレミスのシステムからAWSへ移行するうえで必要な、仮想マシンとネットワークの基本的な構築方法を解説します。具体的な解説内容としては、AWSにおける最小のシステム構成を例に、AWSにおけるネットワークの仕組みと制約、セキュリティグループとの関係、実際のシステム構築手順などを取り上げます。出典:Amazon内容紹介欄
EC2やRoute53などAWSの主要サービスとともに、AWSを利用する上では欠かせないネットワークの基礎も解説されています。
AWSを使用する上では、VPCなどのネットワークサービスを必ず押さえなければいけません。
この本では、一般的なネットワークの知識と交えてAWSのネットワークサービスが丁寧に説明されているので、かなりおすすめの良書です。
他にもこちらの記事で、AWS初心者向けにおすすめの入門書を紹介しているので、参考にしてみてください。
動画教材で学習する
動画教材も様々なサービスで提供されていますが、おすすめなのはUdemyです。
Udemyとは、シリコンバレー発の世界最大級のオンライン学習プラットフォームです。国内では、ベネッセと業務提携を行って展開しています。
豊富なジャンルの中から自分に合った動画を購入し、スキルを習得していくという仕組みになっています。簡単に言うと、学習動画がたくさんあるYoutubeのようなイメージです。
おすすめ理由としては、定期的にセールが開催され、そのセール時の価格がハンパなく安いためです。
セールの内容にもよりますが、90%OFFなど大幅に割引されます。
セール時に買えば、参考書よりも安く購入出るので、動画教材で学びたい方はUdemyで教材を購入して学習しましょう。
Udemy内で販売されているおすすめのAWS講座はこちらの記事で解説しております。
スクールに通う
独学だとどうしても続かない方は、IT専門スクールに通うのが良いでしょう。
実際にAWSはサービスが多すぎることもあり、独学だと現場で活きるスキルを習得するのはかなり厳しいです。
ですが、スクールなら講師やメンターがしっかりとサポートしてくれるので、安心です。
AWSが学べるスクールの中でも特におすすめなのが「RRaiseTech」です。
RaiseTechでは、月単価80万円以上の現役エンジニアが講師として、現場で使える技術を教えてくれます。
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AWSのスキルを身につけてスキルの幅を広げよう!
クラウドの需要が増す中で、インフラエンジニアに求められるスキルも変化してきます。
需要が高い今だからこそ、AWSスキルを身につけて時代の波に乗りましょう!!
今後はAWSだけでなく、AzureやGCPなどのクラウドもさらにシェアが伸びてくるので、時代に沿ったスキルを身につけていくことが、今後もインフラエンジニアとして活躍できるカギとなるでしょう。
オンプレミスの知識やスキルが豊富であれば、AWSのスキルを身につけるのはそこまで難しくないです。
AWSエンジニアとして活躍できるように、今回紹介した勉強方法や教材を活用していただけると幸いです。
共にAWSスキルの習得・向上を目指しましょう!